チャンピオンズC 陣営コメント

有力馬情報まとめ

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1.ソダシ

初ダートでJRA・G1制覇という史上初の快挙を目指す白毛のアイドル・ソダシは1日、吉田隼を背に栗東坂路で単走。序盤はゆったりと入ったが、一完歩ごとに加速。ラストも左の肩ムチで刺激を与えた程度だったが、首と四肢がしっかりと連動し、馬場の中央を真一文字に駆け上がる。4F51秒8-37秒7-11秒8と、1Fごとに速くなる理想的なラップを刻み、好調をアピールした。秋華賞10着からの巻き返し、新たな伝説誕生へ。仕上がりに抜かりはない。以下、吉田との一問一答。

  ◇  ◇

 -ダート適性について。

 「2歳のころから、血統的に楽しみだと思っていました。芝で結果が出ていたのでなかなか試せなかったが、血統的にも、走り方でも期待できると思います」

 -追い切りでの感触は。

 「先々週、先週としっかりメニューをこなしてきています。きょうも変わらず良かったですね。放牧を入れて帰ってきたのでフレッシュな感じ。いい意味でピリピリ感はなくなってきています」

 -今回の舞台設定をどう考えているか。

 「ダートは初めてですし、スタート、ポジショニング、いろいろ気にする部分はあります。枠が出てから考えたいです。与えられた枠で考えるほかないですね」

 -ダート初挑戦がG1になるが。

 「ダートのトップレベルの馬と戦うのは酷なんですが、今までいろいろな壁を越えてきた馬。楽しみにしています。今年は『二刀流』という言葉が話題になった。何とかソダシにも二刀流になってもらいたい。懲りずに優しい目で応援してもらえたらと思います」

  ◇  ◇

 以下、須貝師と一問一答。

 -今回参戦する経緯は。

 「秋華賞が終わってからいろいろ考えたのですが、距離、血統、レース間隔、馬の具合、負担重量など考えて、ここではないかとオーナーに打診しました。オーナーからは『いいよ』とのお言葉を頂いて、ここに決まりました」

 -追い切りの動きは。

 「(吉田隼には)雰囲気を感じながら、自分の思うように乗ってくれと指示しました。精神面がすごく落ち着いています」

 -前走はゲートで歯をぶつけてしまったが。

 「そこはもう全然問題ないですよ」

 -中京ダート1800メートルのイメージは。

 「前が残る競馬を多く感じる。その点、ソダシのゲートは速い方。枠にもよるし、なにぶん初めてのところにはなるけれど、枠が出てから(吉田)隼人との話にもなる。出てから作戦ですね」

 -人気も話題も集める。

 「なにせ初めてづくしのことが多いですからね。あくまで挑戦者の気持ちで臨みたい。変わらず応援をよろしくお願いします」

  ◇  ◇

 今回の追い切りで一番に注目すべき点は単走で追われたことだ。ソダシの最終追い切りが併せ馬でなかったのは、20年の阪神JF以来5戦ぶり。これまでも併せた相手はしっかりとかわしてきたが、かわした後、気を抜くような面が見られ、良くも悪くも相手なりの調整になっていた点を考慮したものだ。吉田隼は「1頭でしっかりと走らせるということをやりたかった」と意図を説明する。

 久々の調整法であったにも関わらず、栗東坂路でラスト1F11秒8(強め)は自己最速タイ。21年3月31日の桜花賞1週前追い切りでも同タイムを記録したが、当時は一杯に追われてのもの。今回は余力十分に、ミッションを見事にクリアした。短期放牧の効果で、馬もフレッシュ。状態は申し分ないと言えそうだ。


白星を手に入れれば、コンプリートだ。白毛のソダシは1枠1番をゲット。デビュー9走目にして初めて白帽子をかぶる。「何から何まで白で、いいんじゃないでしょうか」と北村助手。今回はゲートの先入れが決まっていたため奇数、偶数は不問だ。

 「ゲートも練習しているので問題ないです。順調に来ていますし、パワーアップしています。初めてのダート、ロスなく運べればいいですね」

 追い切り翌日のこの日は、運動のみの調整を行った。14年に舞台を中京に移してから、1枠は【0・2・2・8】と勝利がない。ただ、脚質を見ると、後方から運ぶ馬が入ったケースが多い。過去に逃げた馬は2頭いて17年コパノリッキーが9番人気3着。翌年アンジュデジールも9番人気4着だった。前々で立ち回る馬なら、景色も変わる。今年は純白プリンセスが、真っ先にゴールを駆け抜ける。


白毛馬ソダシ(牝3=須貝)の新馬戦以来全8戦でタッグを組む吉田隼人騎手。デビュー前の調教からまたがっていた。

 「最初からしっかりしていて、走ると感じました」

 ただし、当初、2つほど気になる点もあったという。

 「まず血統的にゲートに関しては十分に注意を払いました」

 母のブチコはゲート内での駐立がままならず、突進して外傷を負い、取り消しになったことがあった。引退の要因となったのも、ゲート難による発走調教再審査を課せられたためだった。

 その血を引くソダシもゲートで少し難しいところを見せたという。

 「ゲート試験には3回くらい落ちたはずです。デビューしてしまえばあまりゲート練習はしなくなるので、最初のうちに慎重かつ丁寧に進めました」

 その成果か、実戦ではむしろスタートは速い方に見えるが、それについても小首をかしげた後、口を開いた。

 「乗っている限りでは決してそうは思わないんです。ゲートは好きではなくて、前扉が開く音も嫌いなので、それに反応して出ているという感じです」

 だから何戦こなしても「ゲートイン、駐立、スタートと一つ一つ神経を使っている」と続けた。

 そんな鞍上の配慮もあってデビューから5連勝。阪神JFや桜花賞といったG1も制覇。その後、連勝こそ止まったが札幌記念(G2)ではラヴズオンリーユーを破って優勝。ここまで8戦6勝という成績を残している。

 さて、もう一点の「気になる点」については次のように語っていた。

 「シロクンやマーブルケーキにも乗せてもらったけどいずれもダート戦でした。ユキチャンでは芝もダートも乗ったけど明らかにダートベターでした」

 名前の出た3頭は、いずれもブチコの兄姉にあたる白毛馬。だから「ソダシもダートでこそだと思い、芝は半信半疑だった」そうだ。

 さて、そんなソダシが今週末のチャンピオンズC(G1)に出走。初のダート戦でどんなパフォーマンスを見せてくれるだろう。 

2.カジノフォンテン

「ぶちかましてやりますよ」

 打倒JRA勢へ、威勢のいい言葉で尾張入りを宣言したのがカジノフォンテンを管理する若き指揮官・山下貴之師(36=船橋)。99年のメイセイオペラ(フェブラリーS)以来、史上2頭目の地方馬によるG1獲りをもくろんでの挑戦だ。

 「右回りは勝負どころの反応が良くない時がある。左回りの1800メートルが一番いい条件だと思っている」と同師がオーナーサイドに進言しての参戦だが、その裏付けには当然馬の充実ぶりがある。昨年の東京大賞典で初めてのJRA交流重賞に参戦して2着すると、今年は1月川崎記念、5月かしわ記念の交流G1・2勝と一気にトップホースに上り詰めた。

 休みを挟んで挑んだ今秋始動戦、前走のJBCクラシックはまさかの6着。「輸送は大丈夫だったが、待機馬房が合わなかった。装鞍でいつもよりイレ込んだり、パドックでも汗が凄かった。走るコースも変則で…。とにかくいろいろかみ合わなかった」(同師)と敗因がハッキリしているだけに度外視可能だ。

 その後は茨城のミッドウェイファームに約2週間短期放牧に出しての調整。帰厩直後に「体もスッキリしたし、現地での動きも良かった」と話していた言葉を裏付けるように地元・船橋での最終追い切りも抜群の動きを見せた。しまい軽く追って4Fから47秒7~35秒9~11秒5をはじき出し、6F76秒4の好時計をマークしてみせた。「弾むようなフットワークで反応も抜群。僕はかなりいいと思う」と表情を緩めた。

 新コンビを組むことになったM・デムーロは15年(サンビスタ)、18年(ルヴァンスレーヴ)とこのレース2度制覇の言わずと知れた腕達者。人馬の条件もしっかりかみ合って22年ぶりの快挙達成の時が刻一刻と迫ってきた。

 【巻き返しの流れ】ジャパンCダート時代を含め、このレースへの地方馬の参戦は00年オリオンザサンクスから延べ9頭。02年トーホウエンペラー(岩手)の6着が最高着順と結果を残せていない。だが近年はJBCスプリント(G1)で19年ブルドッグボス(浦和)、20年サブノジュニア(大井)と連覇。今年も金沢で行われたJBCクラシック(G1)をカジノフォンテンと同じ船橋所属のミューチャリーが制したように巻き返し“流れ”が来ている。


公営・船橋から参戦するカジノフォンテンは、船橋競馬場ダートコースで追い切り。馬なり単走ながら活気あふれる走りで6F76秒4~1F11秒5をマークした。

 山下師は「体の使い方が良くなっているし、弾んで見えた。軽く追わせたが反応も抜群だった」と好仕上がりをアピール。今年は川崎記念、かしわ記念と中央の強豪を退けてG1・2勝。得意の左回りなら大金星も夢ではない。

3.サンライズノヴァ

サンライズノヴァは攻め駆けするモズスーパーフレア(6歳オープン)を相手に、坂路で熱のこもったスパーリングを披露した。松若が騎乗してビシッと追われ4F50秒8~1F12秒5をマーク、半馬身先着した。「動きは悪くなかったですね。1周するコースも問題ない。後ろから行く馬だし、あとはペースにもよると思います」と音無師。前走のJBCスプリントはコーナー4つのレースで2着と好走した。激流よ来い。自慢の末脚が火を噴く。

4.インティ

19年フェブラリーS以来の勝利を目指すインティは1日、栗東坂路で4F52秒6-38秒3-12秒4。気合を前面に出し、勇ましいフォームで一気に駆け上がった。

 野中師は「状態はいいと思う。数を使っていないから、馬自体も若いよ。馬体に張りもあるしね」とフレッシュさをアピール。「どの位置取りになろうと、いかに折り合えるかどうか。枠順を見て作戦を立てたい」とVへのイメージを膨らませた。


3年連続出走のインティは一昨年(3着)と同じ2枠4番に決まった。野中助手は「もう少し外めの枠が良かったですね」と渋い表情を浮かべたが、「今は引っ掛からないので(馬群に)包まれても大丈夫。どんな競馬にも対応できるので」と前を向いた。この日は運動で体をほぐした。「落ち着いているし、状態は変わりないですよ」と好調をアピールした。

5.エアスピネル

衰えない末脚エアスピネルは3枠5番。直近では19年にクリソベリルが好位付けから押し切った好枠だ。笹田師は「枠はどこでもいい。ゲートが悪い馬じゃない。スタートがいい馬だからね。真ん中より内の枠で距離的にもロスがないから」と歓迎する。春はフェブラリーSで2着するなど8歳の年齢を感じさせない。「落ち着きも出た。馬は若々しい」と指揮官はレースが待ち遠しいという表情だった。 


エアスピネルは当初騎乗予定だったムーアが帰国したことにより、藤岡康と初コンビ結成。最終追いはその鞍上が騎乗して坂路でエアミアーニ(3歳1勝クラス)を追走して半馬身先着。4F51秒0~1F12秒4と上々のタイムだ。「康太にいいイメージをもってもらえたと思う」と笹田師がニヤッとするように、藤岡康は「凄く乗りやすい。8歳という年齢を感じさせないほどフレッシュ。チャンスあると思います」と、突然巡ってきたチャンスに意気込んでいた。

6.テーオーケインズ

枠順が2日、確定し、出遅れに泣いたJBCクラシック4着からの巻き返しを狙うテーオーケインズは3枠6番に決まった。

 「内めの枠で、いいんじゃないですか。前走は久々の分はあったし、テンションも高かった。あとはスタートを五分で出られればいつものレースはできる」と平助手。発馬を決めてG1奪取を目指す。


テンションが上がらないよう、なだめられながら、ゆっくりと。帝王賞の覇者テーオーケインズの最終リハは1日、栗東坂路でソフトな内容。馬なりで4F54秒0-39秒2-12秒3と時計は控えめだったが、力強い脚さばきで出来の良さを醸し出していた。

 高柳大師は「先週しっかりやっているので、調整程度で十分。乗っていた助手も、前回より良くなっていると言っていました。前走もしっかり乗って十分やっていたつもりですが、ひと叩きして、より良くなっていますね」と上積みを見込む。1週前に騎乗している松山も「順調に来ているなと思いました」と、状態面に関しては何ら不安を感じていない。

 課題はスタートだ。前走のJBCクラシックではテンション高かったことで出遅れると、スムーズな競馬ができず4着に敗れた。この中間は熱心にゲート練習を重ねてきた。指揮官は「前走は久々の競馬というところと、初めての競馬場(金沢)でもあったので、余計にイレ込んでしまった。今はゲート練習で悪いところを見せないし、中京は行ったことがある競馬場なので、大丈夫じゃないかなと思います」と前向きに語る。

 ゲートが五分なら、底力と実績が黙っていない。交流G1に続き、JRA・G1制覇へ。桶狭間決戦を制して、ダート王者の称号を得る。


テーオーケインズは坂路で単走追い。馬なりで余力を残して4F54秒0~1F12秒3をマークした。高柳大師は「調教で悪いところを見せるので慣れた助手で真っすぐ走らせました。前回も十分やってきたつもりでしたが、より良くなっている感じがしました」と好調をアピール。

 今年は同舞台の名古屋城Sから3連勝で帝王賞V。前走のJBCクラシックは4着で連勝はストップも「前回は初のコースでイレ込んでしまった。中京は経験してますからね」と巻き返しを狙っていた。

7.サンライズホープ

シリウスS覇者サンライズホープは好況を物語るように、坂路で軽快な動き。ラスト2Fは12秒1~12秒1と絶品の伸び。全体時計も4F52秒7とまとめた。

 羽月師は「予定より時計は速くなりましたけど、元々坂路では時計が出やすいタイプ。状態はいいですね」と好仕上がりを見せる。3走前から着けているブリンカー効果もてきめん。伸びゆく4歳馬に、一発の期待が懸かる。


シリウスSで重賞初Vを飾ったサンライズホープが勢いに乗ってG1に初挑戦する。山下助手は「成長の余地はまだあるけど調子は前走より格段に上がっています」とジャッジ。さらに相手は強くなるが「抜け出してフワフワするところがあるし強いメンバーの方が逆にいいと思う。今の状態でどれだけやれるか試金石になる」と力を込めた。

8.スワーヴアラミス

ソダシと2頭使いの須貝厩舎。夏場重賞制覇のスワーヴアラミスも侮れない存在だ。最終調整は坂路。“サジ加減”は松田に託された。単走で4F54秒1~1F12秒6。動きを確認した須貝師は「雰囲気がいいし仕上がっている。G1だけに甘くないが、アラミスの具合はいい」と自信を持って送り出す。

 前走のみやこSは7着に甘んじたが、「前回はゲートでつまずいて本来の競馬ができなかった。トモ(後肢)がしっかりして力を付けている。この馬の力を出し切れば」と腕をぶした。



スポットライトを浴びるソダシの陰に面白い穴馬がいる。ソダシと同厩舎の先輩スワーヴアラミスだ。この馬が出世するきっかけは19年夏のWASJ。フランス人女性騎手ミカエル・ミシェルを背に好メンバーの2勝クラスをひと捲りした。「日本の競馬に恋してます」の、あの時の勝ち馬だ。その後ミシェル・フィーバーと軌を一にするようにG3マーチSを含む5戦3勝と一気に出世した。

 一時は不振をかこったが、今夏にエルムSで重賞2勝目を挙げて再浮上を果たした。「トモ(後肢)の緩さが解消して良くなった。生ズルいから追わせるけどね」と須貝師。前々走白山大賞典3着は上位馬と地方ダート適性の差。前走みやこS7着についてトレーナーは「ゲートでつまずいてスムーズさを欠いたね」と敗因を指摘して「状態はいいよ。中京コースも問題ない」と巻き返しを期す。アイドルホースと共に向かう砂の頂上決戦。実績のあるいぶし銀スワーヴアラミスの注目度は高くないが、「2頭出しは人気薄」ともいう。本来の先行策で一発ある!

9.オーヴェルニュ

名馬との別れを終え、福永が2週連続G1制覇を狙って手綱を取るのはオーヴェルニュ。圧倒的な1番人気だった11月28日とは立場が違うが、鞍上は一発の可能性を感じている。

 1週前、当週と追い切りに騎乗して「先週も良かったけど、また一段上がっている。躍動感があって、状態はいいよ」と出来に太鼓判。舞台は3戦負けなしの中京。「ここは狙っていたG1だからね」と、5枠9番からV獲りに意欲を見せた。

10.ケイティブレイブ

午前10時、雨上がりの坂路をケイティブレイブが力強く駆け上がった。ガトーフレーズ(2歳1勝クラス)を3馬身追走する形でスタート。馬の行く気に任せて徐々に差を詰めると、ゴール板では半馬身先着してフィニッシュ。馬場状態が悪かったこともあって4F56秒2~1F13秒2と時計は目立たないが、8歳という年齢を感じさせない動きを披露。階段を上るだけで息が乱れるようになった54歳の鈴木智は、高齢馬の若々しい動きに勇気づけられたのだった。

 「日曜(4F53秒0)が実質的には最終追い。今日は調整程度に軽めにやったが、うまくいった」と清水英師。金沢での前走・JBCクラシックでは、復活の気配をうかがわせる内容で5着。内田は「スタートして少し行き脚をつけていった。外めを回る形になったけど、馬のリズムを大事にして先行馬を見ながらうまく運べた」と回顧。指揮官は「4角では今までにない行きっぷりで“ひょっとして”と思った。見せ場は十分でした」と振り返った。

 17年帝王賞、18年川崎記念、JBCクラシックと統一G1を3勝もしている実績馬は、昨年帝王賞6着後に脚部不安を発症。その後清水英厩舎に転厩して、今年8月のエルムS(6着)で13カ月ぶりに戦列復帰した。師は「エルムSは手探り、2走目のシリウスS(11着)から自分のやり方で調整したけど、毛ヅヤも悪く本調子ではなかった。前走後はここを目標に、逆算して坂路の本数を調整した。うちに転厩して今回が4戦目になるけど、出来は今回が一番いい。実力馬だけに恥ずかしくない競馬をしてほしい」と期待を込めた。

11.アナザートゥルース

アナザートゥルースはWコースで併せ馬。葉牡丹賞に出走する2歳馬グランドラインを目標に馬なりで加速。いっぱいに追って抵抗する後輩馬に、楽な手応えを見せつけて併入。「前走を使って状態が上がったし、息を確認する程度で十分。馬場は悪かったけど、いい動きだった」と高木師。「兄(サウンドトゥルー)も勝ったレースだし、相手は強いが“隙あらば”の気持ち」と手応えを持って挑む。


登録締め切りの時点では出走可能な関東馬が2頭しかいなかった今年のチャンピオンズC。賞金上位馬の回避でアナザートゥルースが補欠から繰り上がり、出走にこぎつけた。火曜朝、調教スタンドに姿を見せた高木師に、浜田が声を掛けると「まずは(出走枠に)入れてよかったです」と安どの表情を見せた。

 アンタレスS(16着)、シリウスS(13着)と2桁着順が続いたが、前走のみやこSは逃げ粘って3着と、久々にこの馬らしいレースを披露。「使って良くなるタイプだし、前走のようなモマれない形なら、いい競馬ができる」と評した。

 今回も逃げるのか。師は「ハナには全くこだわらない」とした上で「内枠(前走は5番)だと、どうしても前走の形になる」と思案顔。「外枠で行く馬を見ながらジワッと行くのが理想。だから外枠が欲しい」と願う。

 16年に6歳でこのレースを制したサウンドトゥルーの半弟。兄も管理したトレーナーは「この血統はとにかく(本格化が)遅い。だから7歳でもまだまだやれる」と兄弟制覇へ色気あり。「右回りだと体ごとモタれて走るので、左回りの方がスムーズ」と中京へのコース替わりにも期待を寄せる。実際に中京では今年1月の東海Sでも2着に好走している。

 最後に師は「枠が内と外では、レース内容が大きく変わってしまう」と改めて外枠を熱望した。兄は6番人気で当レースを制し、7歳でもJBCクラシックを勝った。晩成血統に枠順が味方すれば、一発大駆けがあるかもしれない。

12.クリンチャー

トレセン取材記者が気になる穴馬に迫る秋G1連載企画「G1リベンジャーズ」。ダート最強馬決定戦「チャンピオンズC」の初回は大阪本社の寺下厚司記者が担当。昨年11着から反撃に燃えるクリンチャーに注目した。走る条件がそろった7歳のベテランが悲願のG1タイトルを狙う。

 14年から中京で行われているチャンピオンズCは前年出走馬が何度も反撃Vを決めた。15年サンビスタ、16年サウンドトゥルー、17年ゴールドドリーム、20年チュウワウィザードは当レース2度目でV。リベンジャーズが活躍するG1だ。

 まずはその候補をピックアップ。昨年の出走馬は大挙7頭エントリーしてきたが、そのうち2度目の参戦は昨年6着だったカフェファラオ、7着エアスピネル、11着クリンチャー、13着アナザートゥルースの4頭。中でもイチ推しは二刀流ホースのクリンチャーだ。
 寒い時季が得意なタイプ。週明けから栗東は一気に冷え込み、月曜の朝一番は0度、火曜も2度だった。長谷川助手は「冬から春先にかけて、いいパフォーマンスをみせてくれる馬。グッと冷え込んで覇気が出てくるのか、ここ数日はスイッチが入っていい雰囲気」と急上昇ぶりに目を細める。

 例年、秋初戦は結果が出ていないが、2戦目で一変することもあった。17年はセントライト記念9着→菊花賞2着、昨年も太秦S4着→みやこS1着と変身。「3歳の時から夏休み明けはスイッチが入り切らない。前走前もスイッチを入れるために坂路で自己ベストを出したんだけどね」と振り返る。今秋も初戦のみやこSは6着に敗れたが、2戦目で一変に期待したい。

 さらに心強い材料が3戦3勝の川田とのコンビ復活だ。長谷川助手も「ブリーダーズカップのレースを見ても、道中の駆け引きや馬の動かし方が凄いですね。左回りは実績のない馬だけど、どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです」と鞍上に託す。芝路線から参入する3歳牝馬ソダシの挑戦が話題になるが、クリンチャーは既に芝ダート両方の重賞を制覇。二刀流ホースの先輩として意地を見せる。


みやこS6着から巻き返しを期すクリンチャーは坂路で馬任せの運び。3Fを39秒4、ラスト1Fを12秒6と馬なりで流した。宮本師は「しまいまでしっかりした走りをしていました。だんだん上がっていくタイプ。同じ世代が種馬になっていくし、頑張ってほしいですね」とキャリアホースの意地に期待を寄せた。

 チーム・ノースヒルズは先週のジャパンCでコントレイルがV。「この流れがもう1週間続いてほしい」と笑顔で締めくくった。

13.チュウワウィザード

枠順が2日、確定し、20年の覇者チュウワウィザードは7枠13番に決まった。谷口助手は「極端な枠じゃなかったら、どこでも良かった。競馬がしやすくて位置取りも自由自在なんで」と不満はない様子。

 1年間勝ち星からは遠ざかっているが、3走前のドバイワールドCは2着、前走のJBCクラシックでも3着など、国内外で好走している。「出来はずっといいですよ。今回もケチをつけるところがない感じですし、展開ひとつで連覇しても」と、王者復権に手応えをつかんでいた。


2020年覇者のチュウワウィザードは1日、栗東坂路で軽快にラップを刻みながら駆け上がり、ラストに仕掛けられると、スッと反応を示してフィニッシュ。4F52秒9-38秒4-12秒8と本来の切れ味ではなかったようだが、陣営に不安の色はなかった。

 大久保師は「年齢とともにズブさが出てきていますね。ですが、本番と調教の走り方を理解してきていますから」使い分けを覚えたと理解。「精神面に関しては、海外に行ったり経験を積んだおかげで、動じることがなくなりました。いろんなところに連れて行っても、自分を見失うことはないですね」と内面の変化、いや進化にしっかりと寄り添った。

 2走前の帝王賞6着後に軽い骨折が判明。4カ月ぶりで挑んだ前走のJBCクラシックは3着に終わった。「道中、深いところを通らなければいけませんでしたからね。しんどい競馬になりました」と振り返るように、舞台となった金沢競馬場は内側の砂が深く、最内枠に入ったことで厳しい立ち位置取りに。ただ、それでも地力で大きく崩れなかった。

 祝祭再び。トレーナーは「順調に調整して来られました。左回りの1800メートルはうまく走れているので去年みたいにいいポジションで回ってきて持久力比べになれば、と思っています」と勝利のシナリオを描く。10、11年(当時の名称はJCダート)のトランセンド以来、10年ぶり2頭目の連覇へ、態勢は整っている。


昨年覇者のチュウワウィザードは7枠13番からスタート。谷口助手は「最内や大外枠ではなくて良かった。自在性があるし、この枠なら競馬はしやすいと思う」と満足げ。木曜朝は厩舎周りの運動で体をほぐした。「追い切り後も体調は安定している。左回りは実績があるし、展開ひとつで連覇があってもいい」と期待を膨らませた。

14.ダノンファラオ

反撃を期すダノンファラオは7枠14番。データ的には不利の外枠スタートだが、同馬は4走前のダイオライト記念で10頭立ての大外枠から快勝している。安藤助手は歓迎する。「外枠うんぬんより偶数枠が良かった。ゲートに難のある馬だからね。モマれない外枠の方が良かった」と前向きに話す。前走のJBCクラシックは7着に崩れたが「今回は在厩調整で太ってない。調整がしやすい」と巻き返して当然の口ぶりだった。


ダノンファラオは坂井(レースは横山武)が騎乗し、坂路の併せ馬で最終調整。4F52秒3~1F12秒3でアンフィニドール(3歳1勝クラス)に1馬身先着した。過去の最終追いと比較しても時計が速い。

 担当の久保助手は「乗ったジョッキーのコメントも良かった。やることはやった。前走も状態は良かったがキープしている」と笑顔。ハナに行けるスピードがあるが、「逃げなくてもいい。行く馬がいれば番手でも」と展望していた。

15.メイショウハリオ

みやこS覇者メイショウハリオは稽古より実戦タイプ。調教で驚くような時計は出ないが、これはいつものこと。最終調整の坂路は4F53秒2~1F12秒3で駆け上がってきた。やや頭の高いフォームながら実戦では鬼のように切れる。

 岡田師は「中間も順調にきています。このひと追いでちょうど良くなる」と満足げ。前走が5番人気の低評価を覆しての重賞勝ち。「最後に馬が来てからもスッと伸びた。精神的にも強くなっている。相手は強くなるが、なんとか頑張ってほしい」と期待した。


急激に力をつけてきたメイショウハリオがG1に初チャレンジする。5月にオープン入りした後は2→2→1着。重賞初挑戦だった前走のみやこSは力強く差し切った。湊助手は「まだ幼いところはあるが精神面の成長が大きい。ここ2走はゲート裏まで余計なことをしなくなった」と目を細める。中3週でのローテになるが「いい意味で変わりない。どれだけやれるか楽しみ」と意気込んだ。

16.カフェファラオ

ブリンカー装着で本領発揮だ。カフェファラオが美浦Wで軽快な走りを披露。4カ月半ぶりの実戦に向けて好ムードを漂わせた。狙うは同一年フェブラリーSチャンピオンズC制覇。頼れる男ルメールの手綱で大外枠を克服し、きっちり戴冠といく。

 21年のフェブラリーS覇者カフェファラオは、2日美浦Wを単走。馬なりのまま5F73秒2-40秒4-12秒1でフィニッシュした。堀師は「先週は調教の量としては非常に理想的だった。ただブリンカーをして少し高ぶっていた部分があったのか、息遣いが若干荒かったので、今週は単走で追い切って確認をしました。反応も動きも息遣いも良かったので安心しています」とコメントした。

 21年はG1制覇で幸先のいいスタートを切ったが、その後のかしわ記念で5着に終わる。初の芝戦だった前走の函館記念(9着)は度外視するにしても、いい時のパフォーマンスではなかったこともあり、指揮官はブリンカー装着を決断した。1週前にまたがったルメールは「ブリンカーを着けて一生懸命走ってくれた。走り方、手前の変え方も良かった。いいコンディションでレースができたら勝てると思う」と期待を込める。

 これまで、比較的極端な枠を引きがちだったが、今回も大外8枠16番となった。「今回はブリンカーを着用して初めての競馬になりますので、一番に折り合いをつけたい」と指揮官。20年は2番人気で6着。当然、今回はそれ以上のパフォーマンスを見せるつもりだ。


今冬フェブラリーSに続くG1・2勝目を目指すカフェファラオが2日、出走馬唯一の木曜追い。美浦Wコースを単走で弾むように駆けた。函館記念(9着)から再びダートに戻る一戦で、史上4頭目となる同一年JRAダートG1ダブル制覇に挑む。

 1週前追いに騎乗したルメールが「状態さえ整えば絶対大丈夫。能力はG1級です」と話したカフェファラオ。計算され尽くしたステップを踏み、名手の希望通りの態勢が整いつつある。堀師は「先週はブリンカーで高ぶったのか、息遣いが荒かった。今日は単走で反応も動きも息遣いも良かった。安心しています」と納得の表情を浮かべた。

 最終リハはWコースで。序盤は行きたがるそぶりを見せたが、徐々に落ち着きを取り戻してピッチが上がる。ブリンカーを着用して攻めた1週前追いよりラップは控えめ(4F56秒1~1F12秒1)。それでも筋肉が盛り上がったトモが繰り出すフットワークは王者のそれだ。この日はブリンカー未着用でも、取り戻した前進気勢。堀師は「3週前の時点で十分に間に合うという判断。先週しっかりやって今週は微調整。調教の量は理想的です」と自信をにじませた。

 ダートの最高峰・米国ブリーダーズC挑戦へのシミュレーションに位置付けられた前走・函館記念(9着)。芝という条件を除けば、シャープなコーナー、長距離輸送、滞在調整と共通点が多かった。「そもそも日本とアメリカのダートは質が違うので(芝を選んだ)。いつか芝を試したいという意図もありました」。価値ある“試走”を経て、秋は国内ダート専念を選択。ルメールも「ダートなら全然違う走りができる」と腕をぶした。

 昨年のチャンピオンズC(6着)は、賞金加算のためにシリウスS(1着)を使っての参戦。堀師は「仕上がりが早い馬なので直行の方が調整がしやすいところはある。元々、馬体が完成していた馬だったので特に(昨年から)体つきは変わらないが、全体的な落ち着き、メンタル面はいい状態だと思う」と前向きな言葉を並べる。ブリンカーはレース直前にルメールとの相談で厚みを調整。ローテ、精神面が昨年より上、効果のある馬具まで手にした。砂の国の王様が、王位に帰還する。

 【試練の大外枠】カフェファラオは大外16番枠に決定。枠順抽選前、堀師は「内、外というよりは真ん中くらいの枠が選択肢を取れるので。今回はブリンカーを着けるので、どこかで馬の後ろに入って折り合いをつけたい。スムーズな競馬ができれば理想です」と話していた。それでも勝った20年ユニコーンSが大外16番枠、20年シリウスSが15番枠。試練の枠を乗り越えられるか。

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