マイルCS 陣営コメント

有力馬情報まとめ

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グランアレグリア

いざ、有終の美へ-。17日、このレースを最後に現役を引退することが正式に決まったグランアレグリアが、美浦Wで完熟の走りを披露した。

 併走パートナーのレイエンダ(6歳オープン)を5馬身近く追走する形でスタート。4コーナーで内に潜り込むと瞬時に加速してかわし去り、6F80秒3-37秒6-12秒2で1馬身半先着。決してムキになることなく、闘志は内に。円熟期に入ったG1・5勝馬の大人の脚さばきだった。

 動きを見守った藤沢和師は「前走から間隔がないので坂路中心に乗り込み、(最終追い切りは)久々に馬場で。流す程度でしたが、いい感じに仕上がったと思います」と表情を緩めた。同じ中2週で挑んだ春の安田記念は中間、蹄に不安が出るなど順調さを欠いたが、今回は「そういうことはなく、いい感じに調整できています」と順調ぶりを強調した。

 「スピードで2000メートルを走り切れるか見てみたい」。指揮官が期待して送り出した天皇賞・秋は、直線で早め先頭に立つも、たたき合いの末に3着。スプリント、マイルに続く3階級G1制覇は達成できなかった。「4コーナーを回った時の手応えが、いつもより早い段階から促さなきゃ駄目だった。馬場よりも距離が長かったと思った」と振り返り、「昨年勝たせてもらったレース。阪神の1600メートルは得意なので頑張ってもらいたい」と改めて期待を寄せた。

 2022年2月いっぱいで定年を迎えるトレーナーにとって、歴代最多5勝を挙げる好相性レースへ、最後の挑戦。人馬そろって最高のフィナーレへ-。万全の準備が整った。

  ◇  ◇

21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルチャンピオンシップに出走を予定しているグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)について藤沢和雄調教師のコメントは以下の通り。

「前走の天皇賞(秋)からそれほど日が経っていないので、今朝の追い切りは坂路で併せて流す程度の遅い時計でしたが順調にきています。力むことなく、キャンターくらいのストライドでしたが、いい感じに仕上がったと思います。

これまで間隔を空けて使ってきた馬ですが、今回と同じ中2週で臨んだ安田記念の時は、ヴィクトリアマイルを走った後、爪の状態があまりいい感じではなく、そのため調整が幾分遅れました。今回はそんなこともなく、2000メートルを走った後ですがいい感じに調整出来ていて安心しています。

前走の天皇賞(秋)は、この馬のスピードで2000メートルもと思いましたが、4コーナーを回った時にいつもより早く促さなければいけない状態でした。慣れた東京コースでしたが、距離が幾分長かったかなと思いました。今回は去年勝ったレースですし、阪神の1600メートルは得意としているので頑張ってもらいたいです。

去年のレースはあまりいい流れではなかったのですが、うまく最後に脚を使うことが出来ました。今年は若い素晴らしい馬が出走してきます。こちらはそろそろ引退の歳になりましたが、2歳の早い時期から走っていつも頑張ってくれた馬で今回も頑張ってくれると思います。これが最後になるかと思いますが、応援してください」

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11月21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルCS(GI)に出走予定のグランアレグリア(牝5、美浦・藤沢和雄厩舎)について、共同会見のC.ルメール騎手のコメントは以下の通り。

「グランアレグリアは(秋の天皇賞で)良い競馬をしてくれました。その日は雨が降っていたので、馬場がちょっと軟らかくなりました。逃げる馬があまりいなかったので、2番手になりました。真面目に走ってくれましたし、距離が2000メートルで、残念ながら最後はちょっと疲れてしまいました。それでもハイレベルで良い競馬をしてくれました。

グランアレグリアはマイルでとても強いですね。去年はマイルチャンピオンシップを勝ちました。今年のヴィクトリアマイルも本当に強かったです。1600メートルは彼女にとってぴったりな距離ですね。

(阪神は)走りやすい競馬場ですね。カーブが大きいし、直線が長いですし、グランアレグリアはとても合います。阪神競馬場でGIを勝っていますし、もう1度、阪神競馬場で良い結果を出すことができると思います。

もちろん今年の3歳馬は強いです。例えばシュネルマイスターですね。でも、グランアレグリアは2歳からトップレベルで走っています。だんだんパワーアップして、大人になりましたし、今年は5歳でトップコンディションになりました。ほかの馬は全然怖くないです。グランアレグリアは良い状態だったら、スムーズなレースが出来れば、最後は絶対速い脚を使えますし、勝つ自信があります。

身体が大きくなったし、落ち着きました。以前はとてもスピードを出していて、ちょっと引っ掛かったり、ハイテンションでした。3歳になってだんだん落ち着いて、乗りやすくなりました。レース中、ずっと力を溜められて、最後はすばらしい脚を使うことが出来ました。今年の競馬でもどこのポジションにも行けますし、すごく乗りやすいですし、フルポテンシャルを使えます。

(位置取りは)3、4番手につけたいです。リードホースがいた方が良いです。どこのポジションからでも行けますが、馬の後ろの方が良いと思います。

ファンの皆さん、おはようございます。今週はマイルチャンピオンシップで、グランアレグリアと2連覇したいです。前回は3着でしたが、今回はマイルでベストパフォーマンスを期待しています。皆さん、応援してください。よろしくお願いします」

シュネルマイスター

 毎日王冠で古馬を撃破。勢いに乗る3歳マイル王シュネルマイスターが17日、美浦Wで迫力満点の動きを披露。先週に続いて横山武が騎乗し、アルビージャ(3歳3勝クラス)との併せ馬。初めての長距離輸送を控えているとあって、終始馬なりで余裕を持たせた印象だったが、それでもラストの伸びは迫力満点。馬場の八分どころを進み、5F69秒4-38秒3-11秒7の好タイムで楽々1馬身先着を果たした。新旧交代へ、準備は整った。以下、横山武史騎手と一問一答。

  ◇  ◇

 -追い切りに騎乗した感触は。

 「先週の動きがすごく良かった。強く追ったことで素軽さが増していますね。きょうはそれを確認できました」

 -成長を感じている?

 「まだちょっと緩いですが、新馬戦の頃よりもパワーアップしています。成長度は自分が一番感じていると思います」

 -安田記念3着以来のコンビ。

 「安田記念は若干スタートで出遅れているんです。なので、今回は気をつけたい。あとは道中の折り合いにも気をつけたいですね。平均よりもややハイペースの方がいいかな」

 -意気込みを。

 「この馬は3歳馬だけど能力は高い。グランアレグリアなどメンバーは強いですが、自分の馬の能力を引き出して頑張りたいです」

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 以下、手塚貴久調教師と一問一答。

 -追い切りの狙いは。

 「先週にすごくいい追い切りができて、既に体も中身もできている。今回は初めての長距離輸送を考慮して、少し余裕残しの併せ馬を行った」

 -追い切り後、ジョッキーと話をしていたが。

 「前日に追い切りに乗りたいと電話があった。感触をつかみたかったのだろう。素軽かったので問題はないと」

 -初めての長距離輸送になるが。

 「メンタル的に冷静なタイプなので、それほど気にしなくていいのでは」

 -阪神コースは。

 「初めてですが、外回りなので直線が長い。東京コースでの走りを見ても、合っていると思います」

 -毎日王冠を勝って挑む一戦。

 「前走を勝った時点で、G1でもチャンスはあると思った。強いメンバーが出走してくるので胸を借りる立場だけど、勝ちを意識した仕上げをしてきました」

  ◇  ◇

21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルチャンピオンシップに出走を予定しているシュネルマイスター(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)について横山武史騎手のコメントは以下の通り。

「先週の追い切りも良かったのですが、先週強くやったことで素軽さも増していい調教でした。この馬には新馬戦にも乗り、安田記念では成長を感じました。また乗れることは嬉しいことです。まだ緩さがあるというのは今後の課題ではありますが、だいぶしっかりしてきています。新馬戦の頃から利口な馬で、メンタル面では心配がなく、体の面が成長してくれば文句なしと思っていましたが、その通りになってきています。今朝は確認程度の追い切りでしたが、すごく良くてレースに行っても問題ないと感じました。調教を終えて、手塚調教師もいいなとおっしゃっていましたし、僕も問題ないですと答えました。

安田記念の時は少しスタートで遅れてしまったのでゲートは気を付けたいです。そして道中しっかり運べるように折り合いにも気を付けたいと思っています。この馬の能力を発揮することを第一に考えたいです。今回は関西での初めてのレースになりますが、輸送についてはそれほどうるさい馬ではありませんから大丈夫だと思っています。まずは落ち着いてレースに臨めることが大事で、コース適性は問題なく、距離もちょうどいいと思います。枠順はどこでも決まったところからレースに臨むだけです。レースの流れは平均からハイペースの方がいいと考えています。ハイペースの方がこの馬の持ち味が生きると思います。

グランアレグリアは天皇賞(秋)で勝負しましたが本当に強い馬だと思いますし、インディチャンプなど今回は強い馬が揃っています。それらを負かしたい気持ちはありますが、まずは僕がこの馬の能力を引き出していい結果を出せるように頑張りたいと思っています。

今週も共同会見場に呼んでいただきましたが、頑張ってもいい馬に乗せてもらえないと騎手はやっていけない仕事なので、このようにたくさんチャンスをいただいて感謝していますし、いただいたチャンスをきっちりものにしていかないといけないと感じています。かなり重いプレッシャーを受けていますが、そのプレッシャーを跳ね除けて結果を出した時の快感は何とも言えないものがあります。このプレッシャーを逆にバネとして頑張りたいと思います」

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21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルチャンピオンシップに出走を予定しているシュネルマイスター(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)について手塚貴久調教師のコメントは以下の通り。

「前走の毎日王冠はこちらが思っていた以上のパフォーマンスを見せてくれました。春から比べてこの馬に対する評価が一段上がり、期待は大きいです。その後は牧場に出して、レース間隔があまりないので緩めないようにして欲しいとリクエストを出しました。その通り乗り込まれて、戻ってきた時はいつもの緩さはなく、中5週でいいタイミングの休養も取れて良かったと思っています。

先週しっかりした追い切りが出来たので、体も中身も出来ていると思い、また今回は輸送があるのでそれを踏まえて少し余裕を残した調教でした。いい動きでした。横山武史騎手から昨日電話があり、乗りたいということだったので追い切りに乗ってもらい、感触が良かったようで彼も自信を深めたようでした。

もともと冷静なタイプの馬で長距離輸送が大きなビハインドになるとは思っていません。初めてというリスクはありますが、それほど気にしなくていいと思っています。阪神のマイルのコースは直線も長く、終いの脚をしっかり使う馬なので阪神でも外回りであれば問題ないでしょう。

毎日王冠を勝てた時点でGIを勝てるチャンスがあるというのは間違いないと思っています。それでもグランアレグリアは強く、ルメール騎手が乗るということも含めて手ごわい相手です。しかし、横山武史騎手も勢いに乗っていますので頑張ってもらいたいです。彼はJRAをこれから背負って立つ騎手であることは間違いなく、もう一段二段上がってリーディングジョッキーを目指すでしょうから、その手伝いを出来たらいいと考えています」

インディチャンプ

11月21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルCS(GI)に出走予定のインディチャンプ(牡6、栗東・音無秀孝厩舎)について、追い切り後の音無秀孝調教師のコメントは以下の通り。

「(安田記念は)8番枠でしたが、4コーナーは内を突いて行き場がなかったと思います。直線も馬場が悪いところを伸びてきていますが、あと50、100メートルで差された形になりました。前が空いている時に行かないと閉まってしまいますからね。その分で言うと、仕掛けが早かったかな、という感じがします。

(昨年は)休み明けになりました。いつも使うと上向く馬で、GIIで負けてGIで勝つような馬ですが、昨年はそれ(休み明け)を心配していたらちゃんと走りました。今年は香港を考えていますから、前哨戦を使わない方が良いだろう、ということで休み明けで臨むことにしました。休み明け云々言われないように、しっかりやっています。

(今日の追い切りは)1馬身後ろから追いかけて、最後は交わすことを考えていたんですが、併せたイメルも走る馬ですから、最後まで抵抗してきましたね。遅れはしなかったんですが、先着もせず、同時入線でした。時計を見ると悪くないですし、半マイルも速いし、最後も12秒台で来ていますから、しっかりやれていて良い状態になっていると思います。先週よりは良いように見えました。先週はもっと後ろから追ってまして、最後は遅れました。皆さんには最後のところだけお見せしているので、調子悪いんじゃないかと思われているかもしれませんが、今日よりもっと後ろから行ってますので、動き的にはほとんど変わっていません。この2週間しっかりやっていますし、帰厩してから速い追い切りを4本やっていますから、これで十分じゃないかと思っています。

昨年は福永くんが上手く乗ったと思います。一旦は勝ち馬を内に閉じ込めたんですから、あれで行けるかな、と思ったら、その外に出してきてゴール前に差したという、やはり相手は強いな、という印象しか残ってないですね。1400、1200メートルになると少し忙しいのかな、という印象を受けますね。1600メートルが一番合っていると思います。

3歳馬は1キロ軽いですし、GIを勝っている馬もいるので、去年よりは強いメンバーなのかな、という印象を受けます。去年の勝ち馬は強いですし、それを思うと良い結果を出して、次の香港へ行きたいと思っています。

勝ち負けを意識してきましたから、上の方の良い着順を、結果を望んでいます。香港には良い感じで行きたいな、と思っています。応援よろしくお願いします」

サリオス

安田記念8着以来、5カ月半ぶりの実戦となるサリオスは17日、美浦Wで3頭併せ。最後方追走から、5F67秒4-38秒2-12秒1のタイムで最後は併入に持ち込んだ。

 堀師は「夏場は北海道で休養。これまでで一番リフレッシュしていい状態で戻ってきた」と説明し、「1週前は若干息遣いが悪く感じたが、今週はそこが改善されていい状態に。自信を持って競馬に臨みたい」と力強く言い切った。

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21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルチャンピオンシップに出走を予定しているサリオス(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)について堀宣行調教師のコメントは以下の通り。

「前走の安田記念は、その前の大阪杯が重馬場での競馬となり、疲れが取れるのが遅くなり、回復具合を見ながら調整は慎重にしていましたが、戻り切っていないかなという調整面でした。レースでは終始行きっぷりが悪く不利もありました。しかし、不利があった後も最後まで立て直して走ってくれて、力のある馬なんだと感じました。

その後回復が遅く、さらに爪の不安も出て、マイルチャンピオンシップには直行ということになりました。夏は3年連続で北海道で過ごしているのですが、健康面やリフレッシュという意味では一番いい状態でこちらに戻り、調整面では順調です。右トモについてはやや改善傾向にあり、歩様検査ではまだ十分ではないのですが、この馬の走りのバランスなどの全体的な印象としては良くなっていると感じています。

先週は松山弘平騎手が来てくれて、競馬で初めてつける馬具について意見を聞きたいと思いました。先週の追い切りはこの馬としては良い方だったと思います。ただし、馬具をつけて、特にブリンカーをつけて昂ったところがあったのか少し息が悪く感じました。先週の週末と今日もその点の確認をして、今日は先週の疲れがないという確認をして当該週としては1日前倒してある程度の強めの負荷をかけました。左回りだと手前を替えるのに少しぎこちなさがあるのですが、バランスも良くなっているので手前も変えられていて、先週少し悪く感じた息も改善していて、いい状態に持ってこられたと思っています。

阪神コースは朝日杯フューチュリティステークスで勝ったコースですし、自信を持ってレースに臨みたいと思っています」

グレナディアガーズ

秋初戦の京成杯AH3着をステップに臨むグレナディアガーズは17日、栗東坂路を馬なりで4F53秒0-39秒4-12秒1。1週前に栗東CWで6F82秒2-36秒5-11秒3と、しっかり負荷をかけられたこともあり軽めの最終リハだったが、軽快な脚取りでプログノーシス(3歳2勝クラス)と併入。好調をアピールした。

 騎乗した中内田師は「先週しっかりやっている分、坂路で調整程度でしたが、動きは良かったです。1週前には(池添)ジョッキーにまたがってもらい、好感触をつかんでもらっていますからね」と、ここまでの過程に納得の表情を浮かべる。

 2021年に入って2・3・3着と勝ち星はないが、陣営に悲観の色はない。「精神的に成長してきていますし、このままレースでも落ち着いて臨めたら。強い馬が出てきますが、非常にいい状態なのでどこまでできるか楽しみです」と指揮官。マイルCS歴代最多4勝をマークする勝負師・池添を鞍上に迎え、強い3歳世代の2歳マイル王が、得意の仁川で復権を果たす。

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経緯は定かではないが、マイルチャンピオンシップ(21日=阪神芝外1600メートル)で川田将雅はダノンザキッドに騎乗予定。グレナディアガーズは池添謙一へと乗り替わる。

 グレナディアガーズ同様、川田が普段の調教からコンタクトを取っていたセリフォスは、先週のデイリー杯2歳Sで藤岡佑介へと乗り替わりながらも無傷の3連勝を決めた。このあたりは誰が乗っても教えてきたことをレースで発揮できるようにしてきた「チーム中内田」だからこそ。ならばグレナディアガーズの乗り替わりもノープロブレム? いやいや、そう簡単な話ではないようだ。

「前走(京成杯AH3着)にしても鞍上(川田)の仕掛けるタイミングはバッチリだった。ただ、テンションを上げないように調整していた分、鞍上が思っていたよりも、反応が遅かったようですね」(福永助手)

 スピードが勝ち過ぎる面があるグレナディアガーズは気持ちをうまくコントロールすることがとにかく難しい。前走はそこを気にするあまり、加減し過ぎたことが反応を鈍らせることになったようなのだ。

 一方、川田の代役に白羽の矢が立った池添といえば、2002年桜花賞(アローキャリー)、2017年桜花賞(レーヌミノル)、2019年マイルCS(インディチャンプ)の3頭を初騎乗でGI勝利へと導いた、いわば“テン乗りのスペシャリスト”。瞬時にその馬の特徴を把握して能力を引き出す技術にたけた男だけに、陣営の指名には納得させられる。その池添は初コンタクトとなったウッド1週前追い切り(6ハロン82.2-11.3秒)に騎乗して早くも手応えをつかんだようだ。

「“追走して強めに追ってほしい”との指示。操作性が良くて、コントロールも利いていた。調教から動くタイプにしても、動き、反応ともにトップレベル。メチャクチャいい馬を頼まれました」

 オルフェーヴルはじめ、数々の超一流馬にまたがってきた男がここまで絶賛するのだから、グレナディアガーズの潜在能力の高さは推して知るべしだろう。

「レースでは我慢できないところがあるみたいだけどね。能力が高いのは確認できたし、いいイメージを持てたので、このままレースを迎えられれば」と“一発回答”への自信を見せている。

 これまでマイルCSで歴代最多の4勝を挙げている池添(前出インディチャンプ以外に、2003、2004年デュランダル、2011年エイシンアポロンで制覇)。野球界では「代打の神様」と言われた阪神の八木裕が有名だが、困ったときの「代打の池添」が川田の代役をきっちり果たせるのか、記者は大いに注目している。

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11月21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルCS(GI)に出走予定のグレナディアガーズ(牡3、栗東・中内田充正厩舎)について、追い切り後の中内田充正調教師のコメントは以下の通り。

「(京成杯AHは)休み明けだったので馬がリラックスした状態で出走できて、競馬もリラックスしたまま走ってきました。終いはしっかり動いてくれました。休み明け、という内容でしたが、馬にとってはちょうど良かったと思います。

(中間は)前走後、一旦ノーザンファームしがらきで心身ともにリフレッシュさせてもらって、今から4週前くらいに栗東へ戻して、徐々に上げております。

(1週前追い切りは)ジョッキーに跨ってもらって、好感触で上がってきてもらって良かったと思います。先週にしっかりやっている分、(今週は)調整程度かな、と思って、坂路で行いました。動きも良かったと思います。

(舞台設定は)上手に走れているコース、条件ですので、問題ないと思います。GIですし、古馬の強い馬もたくさん出走してきますし、同世代の強い馬も出走してくるので、力比べになると思います。

精神的に落ち着いてきたのかな、というのが前走の競馬だったので、そのまま落ち着いて、競馬に臨めればと思います。

今回も良い状態で出走できると思います。この強いメンバーでどこまでやれるか、グレナディアガーズは頑張ってくれると思います。応援よろしくお願いします」

ダノンザキッド

富士S4着のダノンザキッドは17日、栗東CWで単走。いつも通りのダイナミックなフォームで5F67秒8-38秒5-11秒7を馬なりでマークした。

 安田隆師は「サッと流しましたが、シャープな動きでしたね。いい状態をキープしています。距離は1600メートルから1800メートルがベストでしょう。素晴らしいメンバーですが、2歳チャンピオンとして恥ずかしくないレースを」と期待を込めた。

  ◇  ◇

11月21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルCS(GI)に出走予定のダノンザキッド(牡3、栗東・安田隆行厩舎)について、追い切り後の安田隆行調教師のコメントは以下の通り。

「(富士Sは)正直言って状態がすごく良かったので、良い結果になると思っていました。4着自体は良いんですが、最後、1頭に差されたのが納得いかなかったです。

2歳の東スポ杯でも520キロ、プラス24キロでしたが、今の状態はすごく成長期にあって、体重は増えると思っています。前走の状態がすごく良かったので、それをキープしている感じです。身体もできていて、先週もしっかりやっているので、(今日は)状態をキープする目的で、CWコースでサッと流しました。終いの時計は11秒台で上がっていて、シャープな動きだと思いました。期待しています。

2歳時は距離も手探りだったんですが、調教を見ていると距離は1600、1800メートルがベストなんじゃないか、という考えになりました。予定通りに来れたと思っています。相手関係は素晴らしいメンバーなので、ダノンザキッドがどこまでやれるのか楽しみにしています。相手は相当骨っぽいな、と思っています。

2歳チャンピオンとして恥ずかしくないレースをしてほしいと思っています。1度叩いて、状態は前走も良かったですが、それをキープしています。良い結果を見てみたいです」

カテドラル

カテドラル(牡5、池添学)は荒れてきた阪神の芝を歓迎する。前走は中山開幕週の京成杯AHを差し切って重賞初制覇を果たした。

池添学師は「前走はジョッキーもうまく乗ってくれた。馬場は開幕週よりも外差しの利いてきた今の馬場の方がいいと思う。パワータイプでダートも考えていた馬なので。状態も良さそうですし、強い相手にどこまでやれるか」と力を込めた。

  ◇  ◇

エリザベス女王杯は3連単339万円超の配当が飛び出した。小林はその数字をぼう然と眺めて“上位3頭は5文字馬名…”と思いはあらぬ方向に。そういえばG1前日、土曜日の重賞もセリフォスが勝ったな。今週も5文字馬名!?そんなオカルト的な思いも抱いて、池添学厩舎に向かった。

 カテドラルは前走の京成杯AHで重賞初勝利を飾った。直線で少し追い出しを待たされるシーンはあったが、ラストはグインと伸びた。宮田助手は「うまいこと脚がたまりましたね」と笑顔で振り返った。

 勢いを付けてG1ステージへ向かう。最終追いは坂路で馬なり単走。1F目を14秒5で入り、ピッチを利かせて最後まで奇麗に加速ラップを刻んだ。ラスト2Fは12秒5→12秒1、4F52秒3をマーク。スイスイと駆け上がった。

 「しまいはやっておこうと思ってやりました。動きは良かったです。状態の上下動が少ないタイプで、安定していますね」

 以前は競馬場に行くとイレ込むことがあったそうだが、その部分も解消してきた。「パドックや競馬でやることが分かってきたんですかね」と語る。阪神マイルは昨年6月(米子S10着)以来1年5カ月ぶり。それでも「直線に坂のあるコースは合いそう。基本、競馬場は問わないタイプだと思います」とコース替わりに不安の色はない。

 今開催の阪神はずっとAコース使用で、直線の長い外回りなら差し脚が生かせる。ここ5走のうち4走で上がり3F33秒台の末脚を発揮。競馬のスタイルも安定してきた。重賞で6度の馬券絡みは7、7、12、4、6、7番人気。今週も5文字馬名が波乱の主役だ。

ホウオウアマゾン

 目下2週連続重賞Vと勢い止まらぬ矢作厩舎が、秋のマイル王決定戦に送り出すのはホウオウアマゾンだ。中間の気配は極めて良好で、週末の雨予報もドンと来い。伸びゆく3歳馬が虎視たんたんと一発をもくろんでいる。

 11月に入って矢作厩舎は既に国内外で重賞4勝。京王杯2歳Sをキングエルメスで勝ったのを皮切りに、米国でラヴズオンリーユーがBCフィリーズ&メアターフを、マルシュロレーヌがBCディスタフを優勝。さらに14日は福島記念でパンサラッサが大逃げVを決めた。3週連続重賞Vを期す今週の大一番にはホウオウアマゾンがスタンバイ。伸びしろ的に一発の可能性を十分秘めている。

 「28日はコントレイルの引退レースがあるからね。駅伝のリレーみたいに、たすきをつなげていきたい。ここで減速するわけにはいかないよ」と担当者の池田厩務員は力が入る。レース当日は雨予報。今回と同舞台の未勝利戦、アーリントンCを道悪で制したことを踏まえれば、大きな追い風となりそうだ。

 状態もすこぶるいい。春はトモに緩さがあったが、夏を挟んで肉体面で成長。1週前は栗東CWで6F78秒6の猛タイムをマークした。火曜朝は坂路で軽めに乗られ、「自分のこの表情を見れば分かると思うけど、いい感じだったよ」と満面の笑みだ。

 スプリンターズS(ピクシーナイト=1着)、天皇賞・秋(エフフォーリア=1着)、エリザベス女王杯(ステラリア=2着)と、3歳馬が秋の古馬混合G1で3連対。厩舎の勢いと3歳世代の強さに後押しされ、仁川に波乱を呼んでみせる。

ケイデンスコール

11月21日(日)に阪神競馬場で行われるマイルCS(GI)に出走予定のケイデンスコール(牡5、栗東・安田隆行厩舎)について、追い切り後の安田隆行調教師のコメントは以下の通り。

「先週はものすごい時計を出しましたので、今週はセオリー通りサッと余裕綽々の調教でした。

前走はまだ夏負けの緒を引いていて、調教は動いていましたが、本来の動きではないとジョッキーからも進言を受けていました。前走が終わって、ひと叩きしたことで馬がしっかりしてきました。夏負けの影響も取れて、良い状態で挑めそうだと思っています。

おかげさまで(今年は)京都金杯、マイラーズCと重賞を2つ獲ってくれて、1600メートルがベストだと思っています。馬場状態によると思いますが、春のあの時計(1分31秒4)は素晴らしいと思っています。

先週、岩田(康誠)騎手に聞いた時には『馬のフォームを見ると頭が低くなって、毎日王冠より今回の方が良い状態で挑めそうだ』と言っていたので、楽しみにしています。

ロードカナロアの子供なので、特に頑張ってほしいと思っています」

ロータスランド

サマーマイル女王ロータスランド(牝4、辻野)が、得意の仁川でG1に挑戦する。一昨年の阪神JF12着以来のG1だが、あの時とは馬が違う。成長著しい4歳馬が波乱の使者になる。

全休日明けの火曜は坂路を軽く駆け上がった。1週前にはCウッドで6ハロン84秒4-ラスト11秒7。橋本助手は「手応え以上の時計が出ている」と好感触だ。前走・富士Sはハナを切って10着に敗れたが、先行馬総崩れの厳しい展開。「結果的にハナを切ったのが良くなかった。太め残りのところもあった」と久々も影響しただけに、たたいた今回は前走以上だ。

阪神芝外回りはかつて3連勝も飾った得意コース。通算4勝は出走馬最多だ。「阪神は走る。坂はどちらかというと得意。G1でもスタートは引けを取らない。いい位置で競馬はできる」。先行して速い脚を使うのが持ち味。得意舞台で自分の形に持ち込めれば、G1でも好勝負ができる。

2走前の関屋記念では、辻野厩舎に重賞初タイトルをもたらした。それでもレース後、田辺騎手は「全力で走り切っている感じではない」とコメントした。橋本助手は「すべてのレースで、全力で走ってないとジョッキーに言われるんです」と話す。“庭”の仁川で能力全開ならば、歓喜の瞬間が見えてくる。

  ◇  ◇

今年のサマーマイルシリーズを優勝したロータスランドが、栗東坂路で出色の動きを披露。小気味いいピッチ走法で一気にトップスピードに入ると、ラスト1ハロン11秒9(4ハロン52秒0)で調教評価は最高の『S』だ。「仕掛けての反応が良かったです。最後までバランスも保てていて、体つき、動きをみても前回よりもいい。夏のいいときに近づいています」と辻野調教師。前走の富士S(10着)は初めて逃げる形となり、「抜け出すとフラフラするタイプ。今回はいいポジションをとって、ためをつくる競馬をしたいです」と好位での競馬を示唆した。

サウンドキアラ

重賞3勝のサウンドキアラ(牝6、安達)が坂路で軽快に動いた。

武豊騎手を背に4ハロン51秒7-12秒2。鞍上は「いい動きだった。久しぶりに乗せてもらったけど、馬は落ち着いていたし反応も良かった。調子は良さそうですね」と合格点。G1初制覇へ視界良好だ。

  ◇  ◇

サウンドキアラ(牝6、安達)は自在戦で挑む。休み明けの前走・スワンSは内から末脚を伸ばして2着。昨年のヴィクトリアMでは先行策からアーモンドアイの2着という実績もある。

安達師は「前走は挟まれて後ろからになったが、脚がたまって力を示してくれた。レースプランはゲートを出てからになると思う」と展開やペースに応じた立ち回りを描いていた。

クリノガウディー

スワンS15着大敗からの巻き返しを誓うクリノガウディー。中2週とあって、最終追いは坂路でセーブ気味。4F54秒8~1F12秒3にとどめた。微妙なサジ加減は岩田康(レースは岩田望)に一任されている。「間隔が詰まっているのでこれで十分。やれば時計は出るタイプなので」と丸田助手。状態の良さは間違いないが不安もある。「前走も状態は悪くなかったんですが、折り合いを欠いた。今回は距離がどうか」と1F延長を課題に挙げていた。

ダーリントンホール

ダーリントンホールはWコースへ。イクイノックスから4馬身ほど先行し、最後は1馬身のリードを保ってゴールした。馬なりのまま計時したラスト1F11秒7は好調の証。太田助手は「前走後は在厩で調整していて、前走の好走の要因だったフレッシュさをキープできるように意識しています。シャープに動けているし、前走の反動はないのかなと感じている」と話した。

リプレーザ

リプレーザはカシオペアS(11着)から中2週になるが、先週の坂路で4F51秒0の好時計を叩き出し驚かせた。最終追いは予定通り軽め。4F53秒1~1F12秒6でも動きの良さが目を引く。吉永厩務員は「今朝は予定通り、しまい重点にサッと。先週やっているのでもう必要ないでしょう。叩いて上向いてますよ」と笑顔。初重賞勝利は園田の交流戦だったが、1勝クラスVは芝の6F戦。いま流行の“二刀流”だ。「相手が強いですからね。末脚を生かす競馬でどこまでやれるか」と展望していた。

レインボーフラッグ

8歳でG1初挑戦のレインボーフラッグが元気いっぱい、かつ意欲的だ。最終追いはCW。テンから飛ばし、ラスト1Fは13秒1かかったが、6F78秒1の好時計だ。手綱を取った小崎は「先週も乗りましたが、今週の方が動きはいいですね。8歳ですが、状態は凄くいい」と感心する。小崎師も「年齢を感じさせない素晴らしい動き。動きに切れがある」と話す。目イチ仕上げで強豪に挑む。

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